読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今年、気になった選挙 4つ

時事

先日のアメリカ大統領選挙で、トランプ氏当選のニュースに吹き出して、ひどいデマだなとおもったらデマじゃなかった。考えてみると、民主制の選挙って、時代を映してるんだなあと腑に落ちることがあって、感想。

  1. "brexit" と アメリカ大統領選挙
  2. 参議院選
  3. 都知事選挙

1. brexit と アメリカ大統領選挙

振り返ると、"brexit" に始まりがあったのかもしれない。今考えても、ファンタジーのような内容で、しかも扇動した政治家がみんな逃げ出すというオチをつけて、悲喜劇乱れる劇場にしたのは、さすがシェークスピアを生み出した国。

前兆として、スコットランドの独立問題(2014)があった。事情がよくわからないけど、EUという理想は幻想だったのかもしれない。ところで、IS のもたらした政情不安というのは影響があったのだろうか。

米選挙のヒラリー氏の不人気は想像以上だった。事前の報道の限りでは当確だったので、やはり現地の空気を吸わないと本当のことはわからないものだと改めて感じた。

選挙予想は占いのようなものなので、選挙後の分析が有識者?の腕前になるんだろうけど、突っ込んで内情を探るひと、無難に逃げるひと、ポジショントークに居直るひと、いろいろいる。

"brexit" の時に、離脱派を「無学で、非合理、感情的な民衆」というコメンテーターが多かったけど、在英・知英関係者は選挙前から複雑な住民感情に理解を示したりしていて、対照的だった。

今回の米選挙の結果を受けて、さすがにそんな雑なまとめをしたコメントは少なかった。変だなとおもった人。

国際政治学者?藤原帰一氏は クローズアップ現代+ )で出口調査の結果として、 白人・男性・高卒・中高年 の票がトランプ支持に向かったと言ってたけど、これだけでは説明ができないから、トランプ氏が当選したわけで、米ニュースメディアの二番煎じなかんじ。

実際は、白人女性もトランプ支持にまわり、富裕層からも支持を集めたんじゃないかという分析もある。ヒラリー氏は黒人、ヒスパニック、アジア系からの支持が、オバマに比べて下がっている。的外れ。

あと、日本大学法学部岩渕美克教授も、ニコ生の若年層がヒラリー支持が多い傾向について、変化を求める心を、みたいなトンチンカンな発言をしてたり。(日米ともに若者の方が現実を直視してるんだとおもう)

これらの選挙から感じたことは、マスに乗りやすいコメントは、評論家や学者が多く、実務家や生活者の意見との乖離があったこと。経済合理性やアカデミズムに馴染まない価値観を軽視する。もしかして、反知性主義ってこういうことなんだろうか。

トランプ氏が現実を無視したデタラメを並べて当選したことは確かで、これをポピュリズムというのかもしれない。ただ、民主党社会主義バーニー・サンダース氏にも熱狂的な支持者がいたことを考えると、オバマ大統領の "change" が失敗したということだけはいえる。

2. 参議院選

事実上、政権担当能力自民党しかないわけだけど、県知事選も含めて考えると、政策に明確な争点があった地域では野党が勝つケースも多いので、自民党支持というよりも、政策に消極的支持が多いのかもしれない。これで、有力な野党があったら、流れが変わりそうだけど、民進党蓮舫さんで、かつての日本社会党のポジションに収まりそうだ。一定の支持は集めるけど、サイレントマジョリティを掘り起こすことはない。

比例で山本太郎議員に入れた。ノンポリの自分が明確に個人を支持したのは初めて。残念な結果となってしまったが、是非、またチャレンジしてほしいとおもう。山本氏は小太りの蝶ネクタイという怪しさ満点で、第一印象は最悪だった。きっかけは忘れたけど、表現規制に対して実際的に取り組んで、それを公開している様子に好印象を持つようになった。

国連特別報告者の Maud de Boer-Buquicchio の件では、面目躍如たる様だった。慰安婦問題もそうだけど、国連は事実関係よりも政治的な争いでしかないとわりきって、国際世論を意識した政治家は少ないとおもう。どうやら他の特別報告者も、独自の調査をするわけではないらしいので、ちょっと意味がわからない。ちなみにブキッキオさんは勲章が極端に多いけど、何をしてもらったんだろうな。

あと、「オタクの味方」みたいなニッチな訴求は、止められないんだろうか。インターネットを利用する層全体を対象にして動いてほしい。

3. 都知事選挙

自民公認増田寛也氏、小池百合子氏、野党から鳥越俊太郎氏が出馬。そして宇都宮健児氏。

増田氏は

良識人ぽかったけど、この人が岩手県知事の時代に債務が臆から兆に繰り上がってたんだな。3期も務めたら、その土地に骨を埋めて振興に努めてほしいんじゃないかな、岩手県民の意見を聞いてみたい。

鷹派な小池さん、

この人は「女性」政治家とは感じない、老練な政治家。本音がみえないしたたかさは頼もしくも、不審にも見えてしまう。ただ、選挙中たまに痛いところを突かれるとガッツリ反論するところに、信条と芯の強さを感じるときも。基本は、政策よりも政局重視な印象。

ちなみに、現在の都知事しての手腕は素晴らしいとおもう。メディアが先走って憶測したり、橋下さんが噛みついたりしてるけど、情報公開を重視して、着実に手順を踏んでいく方法は、収束と解決を図る最短距離だとおもう。情報公開とガバナンスの仕組みをキッチリ作ることができたら、改革は成功で、その将来に渡る効果は計り知れない。もっとも、当事者からの反発はあってしかるべきだろうけど。

鳥越さんが

かなりおかしいっていうのは、普通だったらわかるわけで、落選した後にも妄言を振りまいて、さいごには誰もいなくなったというデンパな人。投票した層は、明らかに中高年に偏っていて、シルバーデモクラシーに対する風当たりはだんだんと強くなっている。

身内に投票したひとがいたので、なぜなのか聞いてみた。鳥越さんはテレビではおかしな言動は編集されていたのかもしれないけれど、とりあえずまともな人に見えたらしい。んで、自民という選択肢はない。たぶん、この世代の東京の浮動票は、自民以外で選ぶっていう投票行動になりやすい。そして、小池さんは、政党を渡り歩いて信用ができないとのこと。

政策よりも印象で投票するのは良くないんだろうし、これがポピュリズムに繋がるんだろうけど、外聞や外見を整えることも政治家としては大切なんだろうとおもう。

宇都宮健児

日本のサンダースこと宇都宮健児氏。主張や実行性についてはやや疑問を感じる部分があるけど、話しぶりやそれまでの活動から感じたのは、この人が立候補してたら、革新知事が誕生してたんじゃないだろうか。


たぶん、不安定を反映した選挙が世界の至るところで見られるようになるに違いない。一方で、日本はすでに民主党政権という革命から一巡したので、政治に関しては表面的には安定が続くのかもしれない。それにしても、ピケティの『21世紀の資本』もそうだけど、資本主義、民主主義、グローバル化の臨界にきたかな、もしかしてアナーキズムの時代がやってくるのか!